身近な毒薬 超合成

日経新聞 ヘルス に、身近な毒物合成の例が挙がってました。
この記事を見て、映画バットマンで、悪役ジョーカーがメーカ製品に単体では無害な化学物質を混入し、製品同士を組み合わせると毒が合成されるというシーンを思わず連想しました。
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2006080707765h1
ドリンク剤に発がん性物質、基準の1.5倍
ここで問題となる文面ですが、以下のようになります。

今春以降、英米で清涼飲料水中の食品添加物である安息香酸(保存料)とアスコルビン酸(酸味料)が反応しベンゼンが生成されることが分かり

ちなみに、この記事に書かれておりますアスコルビン酸が指すものは、間違いなく、L-アスコルビン酸 = ビタミンCのことで、光学異性体のR-アスコルビン酸であることはありません。
つまり、清涼飲料水に含まれる、ビタミンCと安息香酸ナトリウムが反応し、有機溶剤ベンゼンが発生することを示しております。
ここでは、ビタミンCと安息香酸ナトリウムが、二つとも含まれている製品で安全基準外になるものは自主回収ということでニュースは締めくくられております。
ただし、単品で含まれているものは引き続き販売されます。つまり、それぞれの成分が大量に含まれる飲料同士の飲み合わせによっては、体に有害になるということです。

(Ex) スプライト + CCレモン = ベンゼン 発生

他にも食べ合わせでの合成といえば、有機野菜内の亜硝酸塩 と ハムなどに含まれているソルビン酸が結びつき、発がん性物質になるという話は有名です。気になる方は、できるだけ安息香酸の含まれていない食品を選ぶか、無塩せきのハム類を取ることをおすすめしますが、食品の安全性に細かいことにつべこべいっても何も始まりません。

飲料メーカーの皆様には、引き続き楽しく安全な飲料作りに勤しんでいただきたいと思います。